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KSCO
同声会群馬支部コンサート開催レポート
《東京藝術大学卒業生 新進演奏家シリーズ Vol.7》
2009年
10月3日(土) 18:00開演(17:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 群馬県出身の東京藝大生及び卒業生が出演する演奏会が「パウゼ」で開催されました。以下にその様子をご報告します。

 照明が落とされ、まず登場したのは尺八の梅澤勇輝さん。古典本曲の代表的作品《雲井獅子》が披露されました。尺八の美しい音色が響き渡り、会場を包み込みました。

 ここで出演者の1人、今井俊輔さんが司会者として登場。楽しいトークで、少し緊張感が漂っていた会場も和やかな空気になります。

 2人目の出演者はバリトンの大塚雅仁さん。ピアノ伴奏は渋川ナタリさんです。ベートーヴェンの《アイラーデ》を披露。朗々と響き渡る美しい歌声に会場のお客様もじっと聴き入っていたようです。

 今度は再び尺八の梅澤さんとピアノの渋川さんが登場し、MAKIさん(藝大出身の作曲家)の《午前2時の青い猫》という作品が演奏されました。ポップで聴きやすいながらも、尺八&ピアノという組み合わせの良さを活かした、素敵な作品でした。

 続いては、伴奏で大活躍していた渋川さんがソロで登場。ショパンの晩年の名曲《幻想ポロネーズ》作品61が演奏されました。高度なテクニックと神秘的な響きが冴え渡った素晴らしい演奏でした。伴奏をたくさんこなしながら、ソロの演奏もしっかり弾き切る渋川さんの技量はさすがです。

 前半最後はサクソフォーンの須永和宏さんとピアノの渋川さんでグラズノフの《サクソフォーン協奏曲》が演奏されました。途中で複雑なフーガも出現する壮大な作品ですが、高度な技巧が冴え渡り、スケールの大きな演奏が繰り広げられました。

 休憩をはさみ、後半はメゾソプラノの山本すぎなさん、ピアノ伴奏の増田勝美さんで始まりました。リヒャルト・シュトラウスの《私のすべての想い》など4曲を披露。ロマンティシズムあふれる素敵な作品が情感たっぷりに演奏されました。

 続いては司会を務めていたバリトンの今井さんが渋川さんの伴奏で伊藤康英さんの《あんこまパン》第3楽章など、2曲を披露。《あんこまパン》第3楽章は、料理のレシピがそのまま歌詞になったとてもユニークな作品で、今井さんの振り付けもあって会場が笑いに包まれた楽しい瞬間でした。

 続いてメゾソプラノの諸田広美さんがユリヤ・レヴーさんの伴奏で演奏された平井康三郎さんの《九十九里浜》は、情熱的な表現が際立つ実に見事な熱演でした。そのほかの2曲も美しい歌声が響き渡り、素晴らしかったです。

 そして最後はバリトンの大塚さんと今井さん、ピアノの渋川さんの演奏でベッリーニのオペラ《清教徒》より「ラッパを鳴らせ」。豪快なお二方の歌声が会場に響き渡り、圧巻でした。

 盛大な拍手に包まれながら、最後に出演者が全員ステージに登場して演奏会は終了。ヴァラエティに富んだ名作を、ハイレヴェルな演奏で楽しむことができました。出演者のみなさん、お疲れ様でした!今後の更なるご活躍を期待しています。 (M.S.)

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