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KSCO 
大嶺未来 ピアノリサイタル開催レポート
2009年
9月5日(土) 19:00開演( 18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 

沢山のお客さんで賑わうロビー。

 

 

 すっかり秋らしくなってきた9月5日、パウゼにて大嶺未来さんのリサイタルが行われました。大嶺さんは、ポーランドやドイツで研鑽を積み、数々の国際コンクールでも入賞を果たしている、若手ピアニストです。今回は、8年ぶりに東京で、そしてこのパウゼでリサイタルということで、大嶺さん自身も聴衆も、とても楽しみにしていたのではないでしょうか。

 1曲目は、ハイドン≪ソナタ第13番≫「パルティータ」でした。ストレートな表現が印象的で、初期のハイドンの作品らしいバロック的な響きを活かし、心地よい流れのある演奏でした。

 続いて、シューベルトの≪即興曲≫Op. 90-1。冒頭のピアノでの旋律のせつなさ、そしてそこから広がっていったフォルテの重々しさや悲壮感、といった表現の豊かさが、とても美しく響きました。

 ここからは、リストが編曲した作品が並びました。まずは、シューベルトの歌曲の編曲が2曲。≪美しき水車小屋の娘≫より<いらだち>と、≪白鳥のうた≫より<わが宿>が演奏されました。リストの施した華麗な伴奏の中から、「歌」の旋律を美しい抑揚で浮き立たせていました。

 そして、オペラの旋律を用いた作品、ワーグナー/リスト≪トリスタンとイゾルデ≫より<イゾルデの愛の死>と、グノー/リスト≪ファウスト≫より<ワルツ>。どちらも、非常に華やかなパッセージを軽々と弾きこなし、壮大なスケールでまとめあげていました。

 後半は、リストの大曲≪ソナタロ短調≫です。区切れることなく約30分続く作品ですが、集中力を切らさず、また聴く者の興味も切らさない、素晴らしい演奏でした。ここでも、彼女の持ち味と思われる、力強い表現力が見事に発揮されました。また、それぞれの音の切り方など細部の表現も、実に良くコントロールされていました。もちろん、華麗なテクニックも圧倒的!力のこもった名演でした。

 盛大な拍手に応え、アンコールにショパン≪練習曲 変イ長調≫Op. 10-10を聴かせてくださいました。フレーズごとにペダルの使い方や音色に変化をつけ、多彩な表現で魅了しました。

 大嶺さんは、エネルギッシュな演奏で、どんどん聴き手を音楽の世界へと連れて行く、素晴らしいピアニストだと感じました。これからも、世界中で活躍されることを期待します。(M.)

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