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KSCO
秋山哲也ピアノリサイタル開催レポート
2009年8月29日(土) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
秋山哲也さんは桐朋学園大学を卒業後、ハンガリーの国立リスト音楽院で学んでこられました。現在、後進の指導と並行して演奏活動をなさっています。「パウゼ」でのリサイタルを聴きました。今回のリサイタルは、前半にハイドン、シューベルト、ベートーヴェン、後半にドビュッシーとプロコフィエフという、実にバラエティに富んだ内容です。楽しみに開演を待ちました。
秋山さんの演奏は、ピアノのタッチを絶妙に使い分け、それぞれの作曲家の魅力を引き出していたのが印象的でした。例えば、冒頭のハイドンの《ピアノソナタ》ヘ長調Hob.ィ、:9では、明るい音色で、ストレートに表現していきました。続くシューベルトの《アレグレット》ハ短調D.915は、霞みがかった音色で叙情的な旋律を際立たせます。そして前半最後、ベートーヴェンの《悲愴ソナタ》作品13では、強烈な打鍵と高度なテクニックを駆使し、スケールの大きな演奏を繰り広げていきました。
休憩をはさみ、後半は、前半とはまた一味違った演奏を聴かせてくださいました。ドビュッシーの《前奏曲第1集》の中の「雪の上の足跡」では不可思議な響きを醸し出す一方、有名な「月の光」では、透明感のある響きを実現。その美しい演奏に、会場のお客様もじっと聴き入っていらっしゃったようです。
最後の曲、プロコフィエフの《ピアノソナタ》第7番は特に圧巻でした。不可思議な響きや強烈な不協和音、終楽章の息もつかせぬ連打など、この作曲家の魅力を余すところなく引き出し、圧倒的な演奏を繰り広げました。素晴らしい演奏に、会場からはひときわ大きな拍手がおくられました。
様々な時代の名曲を楽しめた、大変充実したコンサートだったと思います。是非また「パウゼ」で演奏していただきたいですね!
(M.S.)
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