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KSCO 
八杉 友里江 ピアノリサイタル開催レポート
《桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズVol.6》
2009年8月26日(水) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 今日は、桐朋学園のサロンコンサートシリーズで、八杉友里江さんのピアノリサイタルを聴きに行ってきました。八杉さんは桐朋学園大学研究科でピアノ演奏を勉強中の若手ピアニストです。

 八杉さんは、淡い黄色のかわいらしいドレスで登場しました。今日のプログラムはフランスの作曲家の作品を集めたもので、八杉さんのフランスの作品への趣味が窺えます。まず始めは、フランス・バロックの作曲家、F. クープランの曲を2曲演奏。<神秘な障壁>と題された曲は、コンサートの開始にふさわしい明るくうきうきした感じの曲調で、爽快感のある演奏でした。もう一つの<ティク・トク・ショク>という曲も軽快で楽しい雰囲気の曲で、八杉さんは、このリズミカルな曲調を、体とタッチをうまく連動させて表現していました。

 次はフォーレの2曲の夜想曲(第3番と第4番)で、とてもロマン派らしい演奏でした。テクニックでは、特にペダリングが巧妙だったと思います。クープランでもペダルを使用していましたが、フォーレでは、ウナコルダ・ペダルもうまく併用して、音質に幅をもたせ、フォーレ独特の音楽をつくっていました。印象深かったのは、第3番の最後のピアニッシモが本当に美しく、オルゴールのような幻想的な音だったことでした。

 前半の最後はフランクの《前奏曲、コラールとフーガ》です。この3つの部分からなる曲は、どの部分でも、鐘の音が聞こえてくるような気がします。鐘の音は教会を思わせ、とても宗教的な気分になります。八杉さんの演奏では、そうした音の中に不安感や高揚感が表現されていました。

 休憩をはさみ、後半はドビュッシーの前奏曲集 第1巻の全曲演奏です。どの曲も、気持ちの入ったとても良い演奏でした。第1曲では、全音階的な音づかいの中に、ドビュッシー独特の旋律性を美しく歌って表現。第7曲〈西風の見たもの〉では、嵐がけたたましく渦まく感じが非常によく伝わってきました。第8曲の〈亜麻色の髪の乙女〉はタイトルどおりの情景を思い浮かべられるような素敵な演奏で、この曲はアンコールにもう一度演奏されました。

 

 終演後はたくさんのご友人たちに囲まれて、八杉さんの演奏のファンが多いことがよくわかります。また他のレパートリーの演奏もぜひ聴いてみたいと思いました。(T.)

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