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日本ショパン協会 第248回例会
小嶋千尋ピアノリサイタル 開催レポート
《日本ショパン協会パウゼシリーズ Vol.5》
2009年7月18日(土) 18:30開演( 18:00開場)
主催:日本ショパン協会
協賛:(株)河合楽器製作所
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
7月18日、日本ショパン協会の例会として、パウゼにて、小嶋千尋さんのリサイタルが開催されました。小嶋さんは、2007年に芸大大学院を修了したばかりの、若いピアニストです。ショパンを中心としたプログラムで、満員の聴衆を迎えました。1曲目は、シューマンの《アベッグ変奏曲》作品1です。シューマンの若々しい音楽に合った、とてもさわやかな演奏が素敵でした。
続いて、ショパン《ノクターン第10番》作品32−2。旋律を美しく歌い上げていて、心地良く音楽が流れていきました。
同じくショパン《4つのマズルカ》作品33では、マズルカ独特のアクセントのあるリズムを活かし、上品で、かつポーランドの民族的な雰囲気も伝える演奏でした。
前半最後は、ショパンの大作《ピアノ・ソナタ第2番》作品35です。それまでとは曲調が一変し、非常に重々しい深みのある音で始まりました。第1楽章での、フレーズの運び方は、ほとばしる感情の動きを感じさせるものでした。「葬送行進曲」での、暗く沈みこむような響き、そして対照的に中間部の慰めのような、実に美しくあたたかい歌い方が印象的でした。後半は、ロシア人作曲家の作品を取り上げていました。まずは、リャードフ《前奏曲》より3曲が演奏されました。あまり演奏される機会の多くない作品かと思いますが、ロマンティックな作品の魅力を感じました。
最後を飾ったのは、ラフマニノフ《ショパンの主題による変奏曲》作品22です。ショパンの前奏曲からとられた主題が、多彩にかなり自由に変奏されていきます。様々なスタイルの変奏がありましたが、それぞれに合わせた表情で、22もの変奏を全く飽きさせずに、聴かせてくださいました。とくに、クライマックスは情熱的にまとめあげ、会場からは大きな拍手が贈られました。
アンコールに、後半で演奏した作曲家、リャードフ《マズルカ》作品57−3と、ラフマニノフ《前奏曲》作品32−5の2曲を演奏されました。ここでも、美しい音色と優しい表現で、聴衆を魅了しました。今後のますますのご活躍を期待しています! (M.)
サインを貰って皆さん嬉しそう! お宝ですね!
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