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Marunouchiなピアノ・カルテット 開催レポート
〜丸ビル35アンサンブル・シリーズの出演者が集う、室内楽の夕べ〜
出演:小池彩織(ヴァイオリン) 堀内詩織(チェロ)石川悠子(ピアノ)青木篤子(ヴィオラ)
主催:カワイ音楽振興会
2009年7月16日(木) 19:00開演(18:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 真夏日が続く今日この頃ですが、そんな暑さも吹き飛ばす素敵な演奏会にでかけました。そのタイトルは『Marunouchiなピアノ・カルテット』。表参道でMarunouchiな演奏が聴けるなんて、とてもおしゃれな感じですね。ほぼ埋まった客席からすでに、Marunouchiな雰囲気が漂っていました。会社帰りの人が多く、人々は音楽の話をして開演を待っていました。

 ピアノの石川悠子さんの司会で、三人の奏者が紹介されます。

 最初はヴァイオリンの小池彩織さんです。ヴュータンという19世紀ベルギーのヴァイオリニスト作曲家の小品と、クライスラーのプレリュードとアレグロという珍しい作品をピアノとともに演奏されました。どちらの作品も、高音へのぼりつめるヴァイオリンの音がとても官能的で、聴き手は美音に酔いしれていました。

 次はヴィオラの青木篤子さんで、ヴォーン=ウィリアムズのロマンスとビゼーの〈花の歌〉のデュオ演奏です。ヴィオラの魅力はなんといっても中音域の深み。どちらの曲でも低音の響きが実に深く表現され、安らぎを感じさせました。〈花の歌〉は歌劇のアリアらしく、言葉はなくとも、臨場感たっぷりに語りかける演奏でした。

 三人目に紹介されたのはチェロの堀内詩織さんです。シューマンの〈トロイメライ〉とカサドの〈親愛なる言葉〉をピアノ伴奏とともに演奏されました。夢心地なトロイメライのメロディーは息遣いたっぷりに幅広い表現を聴かせてくれました。カサドの曲は、スペインらしく明るく快活で、スペインを思わせる節(ふし)や躍動がとても魅力的でした。

 後半は、4人の演奏者による、ドヴォルザークのピアノ四重奏曲第2番(op. 87)です。

 ドヴォルザーク特有の素朴で力強い旋律は、冒頭のユニゾン(全員が同じ旋律を奏すること)で強烈な印象を刻み込みました。音楽の堂々とした姿に、第1楽章であるのを忘れてしまうほど。第2楽章はチェロの歌心たっぷりに演奏される旋律に、聴き手はうっとり。3つの部分からなる第3楽章では遊び心が感じられる演奏でした。フィナーレの第4楽章は快速なテンポに推進力が加わり、4人が会話を交わしているかのようにしてそれぞれの楽器が共鳴していました。壮大な終わりに、聴衆は惜しみない拍手を送りました。

 演奏者自身が楽器や曲目の解説をして演奏するというこのスタイルは、とても馴染みやすく、楽しめるものでした。今後も石川さんの企画する演奏会を聴きたいと思います。(T.)

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