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Sound Route 2009 Japan ⇔ Russia サウンド・ルート2009-I《日本⇔ロシア》
オリガ・アンドリューシェンコ ピアノリサイタル 開催レポート
2009年6月25日(木) 19:00開演
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 日本・ロシア音楽家協会主催のコンサート、「サウンドルート2009」がパウゼで開催されました。演奏はロシアのピアニスト、オリガ・アンドリューシェンコさん。昨年、スクリャービン記念コンクールとルービンシュタイン記念コンクールの両方で優勝という快挙を成し遂げ、今ますます注目度を上げています。今回のプログラムは全てロシアの作曲家による作品。ご自分の国の作品ということで、ご本人にとっても特別な思いがおありになることでしょう。

 非常に前評判の高かったアンドリューシェンコさんですが、この日の演奏も実に素晴らしく、感動的でした。前半、グリンカの《アリャビエフの「夜鳴きうぐいす」の主題による変奏曲》ホ短調の繊細で絶妙な表現に始まり、ムソルグスキーの《展覧会の絵》では、非常にスケールの大きな表現で、圧倒的な熱演を繰り広げていきます。「カワイコンサートグランド SK-EX」を完全にコントロールし、繊細なピアニッシモから、豪快なフォルティッシモまで、自在に繰り広げていきました。

 後半、チャイコフスキーの作品でも巧みな表現を聴かせます。「ロマンス」ヘ短調作品5では極めて美しいピアニッシモを実現し、「瞑想曲」作品72−5では深みのある音色で晩年の作曲家の心情を巧みに表現。続く《くるみ割り人形》では、原曲のオーケストラを彷彿とさせる多彩な音色が際立ちました。特に「行進曲」でのピッチカートや、「金平糖の踊り」のチェレスタの響きなど、ピアノ1台とは思えないほどの幅広い表現が印象的でした。その素晴らしい演奏に、曲間でその都度拍手するお客様もいらっしゃったほどです。

 最後はスクリャービンの作品。昨年のスクリャービン記念コンクールで優勝したこともあり、アンドリューシェンコさんにとってスクリャービンは得意のレパートリーでしょう。詩曲《焔に向かって》作品72、《12のエチュード》作品8の5番、10番、12番「悲愴」と、どれもスクリャービンの神秘的で不可思議な響きを巧みに表現し、圧倒的な演奏を繰り広げました。

 客席からの熱狂的な拍手に応え、アンコールにはリストの「ラ・カンパネッラ」など2曲を披露。美しい余韻を残して演奏会を締めくくりました。ロシアの作曲家の魅力を、アンドリューシェンコさんの素晴らしい演奏を通して楽しめた、大変充実した演奏会だったと思います。客席の誰もがそう感じたことでしょう。アンコールが終わっても、しばらく拍手が鳴り止みませんでした。(M.S.)

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