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三宅麻美&N響メンバーによる ピアノトリオの夕べ開催レポート
2009年6月22日(月) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 三宅麻美さん(ピアノ)、林智之さん(ヴァイオリン)、西山健一さん(チェロ)による演奏会がパウゼで開かれました。精力的に活躍中のピアニストと、名門・NHK交響楽団の弦楽器奏者から成る、実力派のトリオです。当日は蒸し暑い夜でしたが、3人の奏者によるハイレヴェルな演奏を聴こうと、多くのお客様が会場に集まりました。

 このトリオの魅力は、それぞれの奏者が高い技術を有していることはもちろん、互いに協調しながらものびのびと個々の表現を繰り広げていくところにあります。ダイナミクスの幅も広く、楽器を通して美しい旋律を存分に歌い上げていきました。前半、ドヴォルジャークの《ピアノ3重奏曲》第4番ホ短調「ドゥムキー」作品90では、冒頭から朗々と響きわたる音色で、聴き手をドヴォルザークの世界にひき込みます。その他の楽章も、民謡的な美しい旋律を存分に歌いあげ、聴き応え満点の充実した演奏を繰り広げました。

 休憩を挟み、後半はシューベルトの《ピアノ3重奏曲》第1番変ロ長調作品99,D.898。演奏時間約40分の、かなりの大作です。第1楽章から、生き生きとした音楽を繰り広げていきます。第2楽章はとりわけ魅力的でした。ピアノの穏やかな伴奏に乗って、チェロの西山さんが非常に美しくロマンティックなメロディーを奏でていきます。この美しい演奏に、会場のお客様も熱心に耳を傾けておられたようでした。軽快な第3楽章、躍動感あふれる第4楽章と熱演を繰り広げた3人の奏者に、会場からは熱い拍手が送られました。

 アンコールにはドヴォルジャークの《わが母の教え給いし歌》とシューマンの《トロイメライ》を演奏。どちらもこの編成ならではの美しい演奏でした。高い技術と歌心溢れる演奏で聴き手を魅了したこのトリオの演奏を、また聴いてみたいと思いました。

(M.S.)

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