トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2009年 > 桐朋学園表参道サロンコンサート > 上原玲未&永井李枝 デュオリサイタル > 開催レポート

KSCO 
上原玲未(チェロ)&永井李枝(ピアノ)デュオリサイタル開催レポート
《桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズVol.5》
2009年6月17日(水) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

夕方の6時半でもまだ外は明るい季節になりました。梅雨の時期ながらも、当日はお天気に恵まれ、コンサートは、そんなうきうきした気分にぴったりでした。今回はサロンという空間にぴったりの、デュオリサイタルです。チェロの上原玲未さん、ピアノの永井李枝さんお二人は、桐朋学園大学を卒業されたばかりの若手の音楽家です。客席は学生が多く、ほとんどの席が埋まっていました。

 照明が落ちると、濃紺のドレスでクールな印象の上原さんとワインレッドの情熱的なドレスの永井さんが登場しました。まず最初にシューマンの《アダージョとアレグロ 変イ長調》(作品70)をデュオで演奏。人の声と似た印象を受ける、チェロの低音の穏やかな音色は、とても落ち着けるものでした。上原さんのチェロがのびやかに歌うアダージョの部分と打って変わって、アレグロの部分は、今まで押さえられていたものが一気に爆発するかのような勢いで演奏されました。旋律楽器チェロが生き生きとできるのも、伴奏のピアノがしっかりしているからで、お二人の間の空気の連動をこの目で見た気がします。

 次はピアノの独奏で、おなじくシューマンの《幻想曲 ハ長調》(作品17)です。確実なタッチで演奏される上原さんの音楽には、静謐で確固とした世界観がありました。全休止になる一瞬の間では、集中力が極限にまで高められ、演奏の随所にきめ細かな感性を感じました。

 休憩後は2曲の二重奏曲です。まず、ショスタコーヴィチの《チェロとピアノのためのソナタ ニ短調》(作品40)です。情熱的なフォルテで始まる第1楽章では、上原さんは音をとても感じながら演奏しているのが印象的でした。音楽のヴィジョンを実現するために、一音一音を大事にしている様子がよく伝わってきました。第4楽章まで、チェロはミュート(消音器)を使用したりはずしたりして、丁寧な音楽づくりが窺えました。最後はラフマニノフの《ヴォカリーズ》(作品34-14)です。有名でロマンティックなメロディを、チェロが憂愁な空気を漂わせて訴えかけてきます。本当に心を奪われるような演奏でした。

 お二人の今後の演奏活動が楽しみです!

(T.)

  

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2009年 > 桐朋学園表参道サロンコンサート > 上原玲未&永井李枝 デュオリサイタル > 開催レポート