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中井正子近代フランス音楽とショパン『ショパンとドビュッシー』
コンサート&レクチャー開催レポート
〜フランス・ロマン派音楽としてみたショパンとショパンの音楽がドビュッシーに与えた影響〜
2009年6月6日(土) 18:30開演(18:00開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

6月6日パウゼにて、中井正子さんのレクチャー・コンサートが行われました。特にフランス音楽のスペシャリストとして知られ、演奏活動ばかりでなく、楽譜の校訂も数多く手がけるなど、幅広く活躍されている中井正子さん。このコンサートでは、「近代フランス音楽とショパン」というタイトルのもと、ショパンとドビュッシーの音楽で、同じジャンルのものを並べるという、非常に興味深いプログラムを聴かせてくださいました。

全体の構成は、前半に続けて演奏され、休憩を挟んで後半に演奏した曲目についてのレクチャー、というものでした。レクチャーでは、中井さんが出版された楽譜を使用してのレクチャーということで、多くの方が楽譜を片手に、時にはメモを取りながら、熱心に聞き入っていました。

最初のテーマは、即興曲。ショパンの《即興曲 第1番》、《幻想即興曲》、そしてドビュッシーの《スケッチ帳より》が演奏されました。ショパンでは、どちらもピアニスティックなパッセージで始まりますが、それがクリアな音で浮き立って美しく流れていたのが印象的でした。両者とも、きっちりとした構成をもつ作品ではありませんが、ショパンは即興演奏のような、ドビュッシーではスケッチ帳から切り取られたような作品だとお話されていました。

続いて、ショパンの《4つのマズルカ》作品24と、ドビュッシーの《マズルカ》。マズルカというと、独特なリズムが特徴ですが、的確なルバートでとても魅力的なリズム感で運ばれていきました。レクチャーでは、ポーランドらしさ、少し田舎っぽい要素を出すためのもう一つの仕掛けである音程が紹介され、民族的な雰囲気の理由をよく理解することができました。

最後は、ショパンとドビュッシーの様々なワルツが演奏されました。ショパンのワルツ作品69−1、2は、サロン風でどこか上品な感じを、そして「小犬のワルツ」は、華麗で気まぐれな作風を表現されていました。ドビュッシーは、《ロマンティックなワルツ》、《レントより遅く》、《12の練習曲》より〈オクターヴのために〉の3曲が演奏されました。特に、練習曲は「ワルツ」という印象が薄い曲ですが、演奏会用ワルツの系統のものだという説明の通り、非常に華やかで効果的な演奏の部の締めくくりとなっていました。

ショパンとドビュッシー、それぞれの特徴を生かした演奏と、わかりやすい解説で、この二人の作曲家の関係を感じることができました。また、対比することによって、それぞれの良さの再発見もあったのではないでしょうか。フランスで活躍した二人の作曲家の作品を、新しい視点で楽しませてくれたコンサートでした。

(M.)

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