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中井恒仁&武田美和子 ピアノデュオシリーズ
ピアノデュオ世界旅行 Vol.2〜情熱の国 スペイン〜
2009年
5月30日(土) 17:00開演(16:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 5月30日、中井恒仁&武田美和子 ピアノデュオシリーズ ピアノデュオ世界旅行Vol. 2〜情熱の国 スペイン〜が行われました。彼らは日本で唯一、それぞれのソロとデュオ共に「国際音楽コンクール世界連盟WFIMC」加盟のコンクールで入賞している、夫婦デュオ。チケットは完売という人気ぶりでした。

そろそろ始まる頃かと思っていると、会場の客電が落ち始め、真っ暗になりました。会場が一瞬どよめく中、二人はおもむろに登場し、真っ暗な中、演奏が始まったのです!曲は、レクオーナの《スペイン組曲「アンダルシア」》より〈マラゲーニャ〉。そして、弱音からクレッシェンドするに従って、徐々に明かりがついていくという凝った演出で、おしゃれな雰囲気、スペインの情熱を楽しませてくれました。

曲の合間には、お二人のトークも。作品のエピソードなどをお話してくださり、イメージを持って聴くことができました。息の合った演奏と同様、トークもお二人の絶妙な掛け合いで進められました。

2曲目は、シャブリエの《狂詩曲「スペイン」》。明るい太陽のふりそそぐスペインが、シャブリエのフランス人らしいエスプリと共に、現れていたのではないでしょうか。そして、インファンテの《アンダルシア舞曲》で、前半は締めくくられました。3曲からなる組曲ですが、最初の「リズミックに」は、旋回するパッセージを、闘牛士を彷彿とさせる活き活きとした演奏で聴かせてくださいました。続く「感傷的に」では、深いメランコリーが、最後の「優雅に」では、繊細でありつつ情熱的な音楽が表現されていました。

前半は、すべて2台ピアノでしたが、後半の1曲目、ラヴェルの《スペイン狂詩曲》は連弾で演奏されました。2台版もある中、あえて連弾を選択。二人の手が交差し、時には邪魔に思えることもあるそうですが(!)、1台のピアノから生み出される色彩豊かな響きが、とても魅力的でした。続いて、グラナドスの《ゴイエスカス》より「嘆き、マハとナイチンゲール」の美しい旋律が聴かれました。ピアノ・ソロ版に聴き慣れていた私は、2台ピアノの響きの厚みで、この音楽の深い情熱を改めて感じました。

そして最後は、《2台ピアノのための演奏会用組曲「カルメン」》です。あの有名なオペラ《カルメン》から、シムが2台ピアノ用に編曲し、有名な曲を集めて9曲からなる組曲にしたものです。恋多きカルメンにちなんだ、お二人がスペインを旅行中に、武田さんの荷物を取ろうとした犯人を中井さんが体を張って追いかけたという、熱いエピソードは会場を沸かせました。3曲目の〈ハバネラ〉では、武田さんが最後に薔薇を客席に投げるという素敵なサービスもありました。最後の〈ボヘミアの踊り〉は、徐々に加速していき、テンションも最高潮に。華麗なテクニックとぴったり息の合った2台ピアノの迫力で、締めくくりました。

このシリーズの第3回は、来年開催予定とのこと。今から楽しみです!

(M.)

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