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北川曉子&靖子 サロンコンサート vol.5 開催レポート
〜シューベルトの世界〜
2009年
5月22日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ

 新緑がみずみずしく、心地よい風のふく初夏に、北川曉子先生、靖子先生のサロンコンサートが「パウゼ」で開かれました。今回はシリーズ第5回で、シューベルトの作品を中心としたプログラムです。

 1曲目は、このシリーズで必ず演奏されるベートーヴェンの《ピアノとヴァイオリンのためのソナタ》で、今回は第5番《春》です。清々しいこの季節にぴったりで、さわやかで上品な雰囲気がとても心地よい演奏でした。それぞれの楽器が奏でられる音は本当に美しく、また、お二人の息がぴったりなのは言うまでもありません。

 2曲目から、シューベルトの作品です。《幻奏曲 ハ長調》(D. 934)はヴァイオリンとピアノの作品で、テーマとなる旋律がさまざまな形で変奏されていきます。ヴァイオリンはそのメロディを格調高く歌い、ピアノはきらきらと輝くようです。シューベルトの幻想的な世界を味わい深く聴くことができました。

 休憩のあと、3曲目は《ピアノとヴァイオリンのためのソナチネ 第3番 ト短調》(D. 408)です。「ソナチネ」とは元来「ソナタ」より小さいものというほどの意味ですが、この作品に関しては規模が小さいということは決してなく、シューベルトらしくよく構築された作品です。第1楽章冒頭のユニゾンで、音が重なる一体感は、まさにお二人ならでは。第3楽章のメヌエットでは3拍子感がとても品よく、アリア風のトリオ(3部形式の中間部分)も素敵な上流階級の晩餐会のような雰囲気。第4楽章は何ともいえず憂愁を帯びたメロディがとても美しく、聞き手の心に特別な印象を残しました。デュオとしてのプログラムはこの曲が最後でしたが、演奏後にお二人が固く握手されたのには、お二人の絆をひしひしと感じました。

 最後の二曲は曉子先生のピアノ・ソロです。シューベルトの《即興曲 第3番 変ト長調》(D. 899)と《さすらい人幻想曲 ハ長調》(D. 760)を演奏されました。それまでのデュオで見せる顔とはまったく違って、曉子先生ご自身の、この上なく高められた音楽の世界に、筆者は心を打たれました。特に《さすらい人》の最後、コンチェルト風の豪華なパッセージは劇的に表現されていて、聞き手はみな圧倒されたのではないでしょうか。

 終演後にはケーキとコーヒーが振る舞われ、素敵なサロンコンサートの一夜となりました。みなさんも、ぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか。                      

(T.)

 

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