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“アンサンブル・ヴァリエ”ジョイントリサイタルVol.7開催レポート

2009年
5月19日(火) 19:00開演( 18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

 

 カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」では、ピアノリサイタルばかりでなく、弦楽器をふくめたアンサンブルのリサイタルも多く演奏されています。本日の演奏会は「アンサンブル・ヴァリエ」による、ヴァイオリン(中一乃さん)、コントラバス(小笠原茅野さん)、ピアノ(末松茂敏さん)という組み合わせのジョイントリサイタルです。

 開演を待つ会場がまだ明るいうちに登場した3人の演奏家。チューニングしているのだと思っていると、いつの間にか、エルガーの《愛の挨拶》の演奏が始まっていました。なるほど、挨拶がわりの一曲目です。

 曲間にはアンサンブル・ヴァリエを主宰している古曽志洋子さんのお話がありました。物腰やわらかな雰囲気で、演奏される作品や作曲家のことを聞かせてくださり、聴き手としてとても馴染みやすいものでした。

 ヴァイオリン、コントラバス、ピアノのトリオは、様々な可能性をはらんでいます。冒頭の《愛の挨拶》ではそれぞれの楽器が心優しく歌いかけていましたし、ボッテジーニの《パッショーネ アモローザ》はオペラのアリアを思わせるもので、ピアノで奏されるオーケストラの上で、女声のヴァイオリンと、男声のコントラバスが愛を歌いあっているようでした。それから、なんといってもこの組み合わせを最もうまく表現しているのは古曽志さんの新作《5つのスケッチ》でしょう。村の素朴な情景描写(夜明け、仔馬、秋の風…)は、ヴァイオリン、コントラバスの純粋な音質、ピアノの繊細な表現力によってイメージ豊かに伝わってきました。

  

 トリオ以外にはデュオのプログラムもありました。ヴァイオリンとコントラバスはグリエールの《二重奏曲 Op. 39》を演奏しました。二つの楽器は音域がかけ離れていますが、この曲ではそれを生かし、広大な大地を思わせるロシア的音楽を作り上げていました。シューマンの《ヴァイオリンソナタ 第1番》では、ピアノとヴァイオリンの両者が対話しているかのような親密な雰囲気。デザンクロの《アリアとロンド》はコントラバスとピアノというユニークな組み合わせ。コントラバスの奏でる高音域もとても魅力的です。

最後にボッテジーニの《グランド デュオ コンチェルタンテ》をトリオで演奏。ヴァイオリン、コントラバスの美しいメロディ性と、ピアノの完璧な叙情性に感動しました。演奏家との距離が近く感じられ、音楽家に親しみを覚えたリサイタルでした。                               

(T.)

 

ロビーの様子。
出演者も多かったこともあり大賑わい!

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