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KSCO 
近藤麻里 ピアノリサイタル開催レポート
ハイドン没後200年によせて 〜光と風の時〜
2009年5月14日(木) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 ロビーの様子

「パパ・ハイドン」などと呼ばれ親しまれているハイドンは、今年没後200年を迎えています。5月14日、近藤麻里さんが、そのハイドンを中心としたプログラムでコンサートを行いました。近藤さんは、多くの受賞歴を持ち、現在幅広く活躍されているピアニストです。ここパウゼで好評を得たコンサートシリーズに引き続き、足を運んだお客様も多かったことでしょう。

 まず1曲目は、ハイドン《ソナタ》ハ長調 第60番です。下行音型をとても愛らしく響かせて、曲は始まりました。どこか硬いイメージを持たれがちなハイドンですが、非常にウィットに富んだ作品が多いのです。そんなハイドンの一面をうまく伝えてくれる演奏だったように思います。

 続いてもハイドンの《アンダンテと変奏》ヘ短調です。先ほどのソナタとは一変、物悲しいテーマで始まりました。そして、深い味わいが印象的でした。和声の変化、そして装飾されてゆく旋律線が、ていねいに歌いこまれていました。 休憩の前後は、ハイドンへのオマージュである小品が演奏されました。これは、今からちょうど100年前、ハイドンの没後100年を記念した音楽雑誌の企画によるもの。全部で6人の作曲家が寄稿しましたが、その中からラヴェルとドビュッシーが聴かれました。どちらも、HAYDNという文字を音名に置き換えた「ソラレレソ」がテーマです。それが綺麗に浮き立つ演奏で、あまり演奏されることのない作品ですが、非常におもしろく聴くことができました。至るところに「ハイドン」の名が登場するこれらの曲に、会場からは感嘆の声ももれていました。

 そして最後は、ドビュッシー《ベルガマスク組曲》です。非常に透明感のある音色で、軽やかに響かせていました。とくに、有名な〈月の光〉での幻想的な雰囲気は、とても美しく、会場中が聴き入っていました。

 満員の聴衆からの盛大な拍手に応え、アンコールにベートーヴェンの「月光」ソナタ、メンデルスゾーンの《無言歌集》より〈春の歌〉そして最後に、モーツァルトの楽しい変奏曲《バター付きパン》が演奏されました。プログラムの構成も、そしてもちろん演奏も素晴らしく、ハイドンと近藤さんの魅力を存分に味わうことのできた一夜でした。   

(M.) 

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