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末永 匡 ピアノリサイタル vol.2開催レポート
〜 ピアノ四重奏の夕べ 〜
2009年4月17日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 ピアニスト・末永匡さんと友人の音楽家、田村安紗美さん(Vn)、鈴木康浩さん(Vla)、金子鈴太郎さん(Vc)によるピアノ4重奏の演奏会を「パウゼ」で聴きました。モーツァルト、シューマン、ブラームスの傑作で構成されたとても魅力的なプログラムで、とても楽しく、素晴らしい演奏会となりました。

 このメンバーの素晴らしさは、4人の奏者がそれぞれ高い技術を有しているだけでなく、お互いの音をよく聴き合い、生き生きとした演奏を繰り広げていくところにあると思います。最初の曲、モーツァルトの《ピアノ4重奏曲》ト短調作品478からそれは明らかで、4人の奏者が同じ音楽の流れを感じ、時に激しく、時に優しく奏でていきました。優れたジャズ・ミュージシャンはお互いの音をよく聴き合い、反応しながら即興的に音楽的対話(インタープレイ)を繰り広げていきますが、今回の4人の奏者もそれと通じる部分があり、まるでその場で創造されたかのように即興性あふれる音楽を奏で、聴き手を生き生きとした豊かな4重奏の響きの世界に引き込んでいきました。

 それはシューマンの《ピアノ4重奏曲》変ホ長調作品47の演奏でも感じられました。特に第3楽章の演奏は今回の演奏会の白眉ともいうべき素晴らしい内容で、冒頭の旋律をチェロの金子さんが奏で始めると、会場は優しい響きに包まれ、誰もがそのロマンティシズム溢れる優美な世界に聴き入っていました。

 最後の曲、ブラームスの《ピアノ4重奏曲》ハ短調作品60もまた非常に充実した内容で、厳しくも美しいブラームスの世界を鮮やかに表現。このメンバーによる演奏がこれほどまでに聴き手に訴えかけるのは、演奏者自身が音楽を楽しんでいるからなのでしょう。感動的な演奏でした。

 お客様からの熱心な拍手に応え、アンコールにシューマンの4重奏曲から第3楽章を再度演奏。美しい響きを残しつつ演奏会を締めくくりました。

 ピアノ4重奏曲の傑作を高度なアンサンブルを楽しめた、素晴らしいコンサートでした。このような演奏を間近で聴くことができたのは滅多にない体験だったと思います。今回のメンバーでの演奏会が再び「パウゼ」で実現してほしいものです。

 (M.S.) 

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