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KSCO
深沢亮子ピアノリサイタル vol.4
ピアノとヴァイオリンによる夕べ 〜自然への讃歌〜
ヴァイオリン:恵藤久美子
2009年3月18日(水) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
深沢亮子先生のピアノリサイタルシリーズも今回で4回目を迎えます。毎回素晴らしい演奏で聴き手を魅了している深沢先生。今回はヴァイオリンの恵藤久美子先生との共演です。どんな演奏を聴かせてくださるのでしょうか。楽しみにしながら開演を待ちました。まずはベートーヴェンのおなじみの名曲、《ピアノとヴァイオリンのためのソナタ》第5番“春”ヘ長調作品24です。ヴァイオリンの美しい旋律に対して、ピアノが応えるように音楽は進んでいきます。様々なニュアンスを巧みに使い分ける両先生の技量はとりわけ印象的でした。
続いて助川敏弥先生の《空想の岸辺》。恵藤先生が助川先生の詩を朗読した後、演奏されました。静かなピアノの伴奏の上にヴァイオリンが美しい旋律を奏でていきます。続く《夜の雨》はハープのような流れるピアノ伴奏とヴァイオリンの絡み合いが印象的な曲。そして前半最後は深沢先生の独奏で《花の舞》を軽やかに演奏されました。助川先生の3作品はシンプルながらも音の情景が浮かんでくるような親しみやすい作品で、心地よい音楽だったと思います。また、深沢先生の美しいピアノの音色は助川先生の作品の魅力を存分に発揮するものでした。作曲者と演奏者の相性のよさを改めて実感しました。
因みに会場には助川先生ご本人も来られていて、深沢先生の演奏後、曲にまつわる楽しいお話をしてくださいました。
休憩中にはケーキとドリンクのサービスがあり、ほっと一息。お客様もそれぞれ楽しいひとときをお過ごしになったことでしょう。
後半は深沢先生の独奏でベートーヴェンの《ピアノソナタ》第21番「ワルトシュタイン」ハ長調作品53です。堂々としたスケールの大きな演奏は迫力満点。深沢先生の高い技術と表現力、音楽への洞察力が伺える素晴らしい演奏でした。
アンコールには、助川先生の《ピアノのための3つのやさしい小曲》より「風」、ベートーヴェンの《エリーゼのために》、再び助川先生の「糸かけ 糸かけ 糸かがり」を演奏。さわやかな余韻を会場に残しつつ演奏会を締めくくりました。
ベートーヴェンと助川先生の世界を、ハイレヴェルな演奏で楽しめたコンサートでした。深沢先生による次回のパウゼでの演奏会は2009年10月9日(金)です。是非美しいピアノの音色を聴いてみてください!
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