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横山奈加子(ヴァイオリン)&高橋礼恵(ピアノ)デュオリサイタル開催レポート
2009年3月4日(水) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

パウゼで横山奈加子さんと高橋礼恵さんのコンサートを聴きました。お二方とも桐朋学園大学を卒業後、数々の国際コンクールで入賞を果たし、現在コンサートやCD録音、ラジオ出演など幅広い活動をなさっています。

今回のプログラムは「ドイツの3大B」と称される大作曲家の名曲揃い。非常に魅力的な内容ということもあり、満員の客席からは演奏を心待ちにしているようなムードが伝わってきました。

最初の曲はベートーヴェンの《ヴァイオリンとピアノのためのソナタ》第5番ヘ長調作品24“春”。冒頭からさわやかで心地よい響きが会場に響き渡りました。ヴァイオリンとピアノの音楽的対話も見事なもので、両奏者の技術的な高さと音楽的相性のよさが感じられました。

続いては横山さんの独奏で、バッハの《無伴奏パルティータ》より「シャコンヌ」。ヴァイオリンの荘厳な響きが会場を包み込みます。ヴァイオリン1台で奏でられる音楽は孤高の世界ともいえるもので、その独特な魅力にひき込まれました。

休憩を挟み、後半は高橋さんの独奏による、ベートーヴェンの《ピアノ・ソナタ》第8番ハ短調作品13「悲愴」で始まりました。ピアノ学習者がしばしば演奏する有名な作品です。高橋さんは各楽章の性格を巧みに描き分け、丁寧に表現しました。とりわけ第2楽章の美しい旋律が印象的でした。

そしてプログラムの最後はブラームスの《ヴァイオリンとピアノのためのソナタ》第2番イ長調作品100です。冒頭から愛らしく、優しい旋律が響き渡り、聴き手を魅了しました。ブラームス特有の愛、情熱、不安といった様々な感情を表現し、見事な演奏を繰り広げたお二方に、会場からはひときわ大きな拍手が送られました。

アンコールには《F.A.E.ソナタ》の第3楽章を演奏。この曲は、第1楽章をディートリヒ、第2,4楽章をシューマン、第3楽章をブラームスが作曲したという、珍しい作品です。お二方の高い技術が冴えわたる迫力ある演奏でコンサートを締めくくりました。

ドイツの大作曲家の名作をハイレヴェルな演奏で楽しめた演奏会でした。デュオだけではなく、横山さん、高橋さんそれぞれの独奏もあり、プログラムのバランスもよかったと思います。また素敵なデュオを聴かせてください!

  終演後のロビーの様子。

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