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日本ショパン協会 第245回例会
小田裕之ピアノリサイタル開催レポート
《日本ショパン協会パウゼシリーズ Vol.4》
2009年
2月21日(土) 18:30開演( 18:00開場)
協賛:(株)河合楽器製作所
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

ロビーの様子。

 

 

 2月21日、日本ショパン協会第245回例会 パウゼシリーズVol.4として、小田裕之ピアノリサイタルが行われました。小田さんは、桐朋学園大学を卒業され、「現在とこれからの礎になっている」と語るチェコへの留学を経て、演奏者・指導者として広く活動されているピアニストです。今回は、ショパンとシマノフスキというポーランドを代表する2人の作曲家の作品を聴かせてくださいました。

 最初に演奏されたのが、《ショパンのマズルカOp.59》の3曲です。マズルカとは、ポーランドの舞曲ですが、活き活きとしたリズム感と自由なテンポのゆれとで、ショパンの音楽の持つ民族性をうまく表現されていました。また、どこか哀愁ただようような旋律や和声に、非常に柔らかい音色がとても合っていたように思います。

 前半最後は、同じくショパンの「葬送ソナタ」として有名な、《ピアノ・ソナタ第2番Op.35》です。第1楽章は、重厚で深みのある低音のオクターヴで始まりました。激しい感情が感じられる楽章ですが、フォルティッシモなども決して暴力的な強さになることなく、スケールの大きな表現が印象的でした。決然とした雰囲気のまま始まる第2楽章では、その中間部での対照的にあたたかい響きが、とても美しかったです。葬送行進曲の第3楽章は、重々しさと共に洗練さが込められた音楽作りが印象的でした。第4楽章は、一気に駆け巡るといった様子で、作品全体が締めくくられました。

 休憩後の後半は、シマノフスキの作品。まずは、《マズルカOp. 50より第1巻(No.1〜4)が演奏されました。同じ「マズルカ」と言っても、前半に聴いたショパンのものとは、だいぶ雰囲気も異なり、二人の作曲家の民族性、そして和声感の違いなどがはっきりと感じられ、興味深いものでした。たとえば第4曲での躍動感は、彼の音楽性をよく伝えるものだったと思います。

 コンサートを締めくくったのは、シマノフスキの《仮面劇》Op.34。〈シェエラザード〉、〈道化のタントリス〉、〈ドン・ファンのセレナーデ〉という個性的な3曲からなる作品です。独特な和声感が、絶妙にコントロールされたタッチから生み出される様々な音色で奏され、各曲の面白さが存分に発揮されていました。

 鳴り止まない拍手に応え、アンコールに2曲、ショパンの《ワルツOp.64-2》とヤナーチェクの《草陰の小径 第2巻》より第1曲を聴かせてくださいました。東欧の音楽の魅力を素晴らしい演奏で楽しめた、そんな演奏会でした。

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