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井上 茜 ピアノリサイタル開催レポート
2009年2月3日(火) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

井上茜さんは武蔵野音楽大学を卒業後、数多くの国際コンクールで優秀な成績を修めてこられました。オーケストラとの共演も多く、今後が期待される若手ピアニストです。今回のリサイタルはモーツァルトとベートーヴェンのソナタ、それに2台ピアノによるショパンのピアノ協奏曲という充実したプログラム。会場は多くのお客様で埋め尽くされました。

赤の素敵なドレスで登場した井上さん。最初の曲はモーツァルトの《ピアノソナタ》第4番変ホ長調KV282。モーツァルトの作品は音数が少ないだけに表現がなかなか難しいものですが、井上さんは非常にシンプルな主題を丁寧に美しく演奏しました。軽やかさが際立った演奏といえるでしょう。

次の曲はベートーヴェンの《ピアノソナタ》第31番変イ長調作品110。ベートーヴェン晩年の傑作です。第1楽章、深く穏やかな主題をゆったりと奏でていきます。続く第2楽章では強弱の対比をドラマチックに表現。第3楽章はアダージョの主題から始まり、やがてフーガの主旋律が出てきます。シンプルなモチーフが積み重なり、壮大な音楽となって会場に響き渡る様は圧巻でした。

休憩を挟んで、後半はショパンの《ピアノ協奏曲》第2番へ短調作品21。通常ピアノとオーケストラで演奏される作品ですが、今回は2台ピアノでの演奏です。第1楽章では主題を美しい音色で表現する一方、技巧的なパッセージも難なくこなします。第2楽章では夢見心地で魅力的な主題が美しく響き渡りました。最後の第3楽章は軽やかながらも高度な技巧が際立った迫力満点の演奏。共演ピアノを担当された井之上南さんもしっかりと井上さんをサポートし、見事なアンサンブルを繰り広げました。この大曲を終えたお二方に、会場からは熱い拍手が送られました。

アンコールに、井上さんはメンデルスゾーンの《無言歌》より「デュエット」を演奏し、コンサートを締めくくりました。非常に丁寧に美しい音楽を創り上げる井上さんの世界を存分に味わうことができたコンサートだったと思います。これからの更なるご活躍が楽しみです!

お客様に囲まれて!

共演された井之上南さんとの記念撮影

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