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UNA STORIA PIANISTICA di YOSHIKAZU JUMEI con amici-vol.1開催レポート
寿明義和 ピアノで紡ぐ物語 詞(ことば)のない唄たち 
〜ヴァイオリニスト 東彩子 氏を迎えて〜
2009年1月16日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 一昨年からコンサートシリーズを展開している、寿明義和さん。今回から、《con amici》という新しいテーマで、毎回ゲストと共にアンサンブルも含めたプログラムでのシリーズが始まるとのことで、会場には超満員のお客様が集まりました。

 1曲目は、メンデルスゾーンの《ヴァイオリンとピアノのためのソナタ》へ短調Op. 4。東さんの優しく深みのあるヴァイオリンの旋律から、第1楽章は始まりました。ピアノとヴァイオリンの息の合った対話で、曲は進んでいきました。穏やかさの中に情熱を秘めたような、とても美しい曲作りだと感じました。

 続いて、プロコフィエフの《ヴァイオリンとピアノのための5つのメロディー》Op. 35bisが演奏されました。これは、あまり演奏される機会の多くない作品ですが、神秘的な雰囲気を伝えるものでした。第2曲での、非常にエキゾチックな音楽の官能的ともいえるような表現が印象的でした。そして、寿明さんのソロで、ラフマニノフの作品が3曲続きました。右手が波の様子を描く中、美しく旋律が歌われた《舟歌》ト短調Op. 10-3から、《メロディー》ホ長調Op. 3-3、《ヴォカリーズ》嬰ハ短調Op. 34-14と、あたたかく息の長い旋律の魅力が表現されていました。今回のコンサートのテーマ、「詞のない唄たち」にふさわしく、ピアノの旋律が歌のように響き渡りました。

 後半も、このようなテーマにまさにぴったりの作品、メンデルスゾーンの《無言歌集》より7曲が演奏されました。それぞれの作品のもつ個性が描き分けられ、最後の「紡ぎ歌」などは特に、情景が思い浮かぶような演奏でした。

 最後は、プロコフィエフの《ヴァイオリンとピアノのためのソナタ》二長調Op. 94a。プロコフィエフの音楽のもつ活き活きとしたエネルギーが存分に表現され、特に第4楽章はコンサートを締めくくるにふさわしい、クライマックスとなりました。

 会場からのアンコールに応え、もう1曲グリークの《抒情小曲集》より「子守唄」(二重奏編曲版)をお二人の優しい演奏で聴かせてくださいました。

 ソリストとしてばかりでなく、アンサンブル・ピアニストとしての力量も発揮してくださった寿明さん。今後、このシリーズでどんな世界を展開してくださるのか、とても楽しみです。

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