トップページ

コンサート情報

トピックス

概要

KMFミュージックフレンズ

CDメディア

リンク

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2008年 > 松川文子&佐々木 睦ピアノリサイタル > 開催レポート

KSCO
松川文子&佐々木 睦ピアノリサイタル開催レポート
ヨーロッパ音楽とオリジナル作品 〜ジャンルを超えたファンタジー
主催:カワイ音楽振興会
2008年12月19日(金) 19:00開演(18:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 12月19日に開催された松川文子&佐々木睦ピアノリサイタル。「ヨーロッパ音楽とオリジナル作品の競演〜ジャンルを超えたファンタジー」と題され、ピアノの伝統的なレパートリーばかりではなく、ピアニストの佐々木さん自身のオリジナル作品も演奏されるという、少し珍しいコンサートでした。

 

 まずは、佐々木さんがブルーのドレスで颯爽と登場。モーツァルトの《ソナタ 変ロ長調》K. 333は、その雰囲気そのままに、快活に流れ、音楽のコントラストがはっきりと表現されていました。続いて、松川さんによるショパンが2曲、《ワルツ第5番 変イ長調》と《バラード第4番》。このバラードは、ショパンの作品の中でもとりわけ難曲として知られていますが、情熱溢れる素敵な演奏でした。とくにコーダへの盛り上げ方が、印象的でした。前半最後は、佐々木さんのオリジナル《ソナタ嬰ヘ短調》でした。ソナタ形式を用いるなど、西洋音楽に基礎を置きつつも、ジャズ風の響きやリズム感といった様々な要素が混在する、魅力的な音楽でした。

 

 後半、松川さんのラヴェル《夜のガスパール》は、幻想的な世界を見事に演出していたと思います。特に第3曲「スカルボ」での、連打の歯切れの良さと上行音型の輝かしさが際立ち、ヴィルトゥオーソ性が存分に発揮されていました。そして、佐々木さんのオリジナル作品が5曲続けて演奏されました。どれも様々な性格を持った曲で、佐々木さんの感情そのままに、音楽が進展していくかのような印象を受けました。これぞ、自作自演の醍醐味といったところでしょう。たとえば、《長い雨〜プレリュードとバラード》での紡ぎだされるメロディーや、情熱的な高まりなど、まさに彼女の世界が展開されていました。最後は、お二人の連弾、シャブリエ《狂詩曲「スペイン」》で、息の合った演奏を聴かせ、華やかに締めくくりました。

 鳴り止まぬ拍手に応え、アンコールにアンダーソン《そりすべり》を連弾で演奏されました。年の瀬も近い、この時期にぴったりの名曲を、チャーミングに表現し、聴衆を楽しませてくれました。

恩師の楊麗貞先生を囲んで。

 ホーム(ニュース) > コンサート情報 > 2008年 > 松川文子&佐々木 睦ピアノリサイタル > 開催レポート