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開催レポート

KSCO
中島 彩&矢谷明子ジョイントリサイタル開催レポート
《東京藝術大学卒業生 新進演奏家シリーズ Vol.5》
2008年
12月12日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

  

 ピアノの中島彩さんとヴィオラの矢谷明子さんのジョイントリサイタルがパウゼで開催されました。お二方とも数々のコンクール入賞歴があり、現在精力的に演奏活動をなさっています。今回のコンサートのチケットは完売。ピアノとヴィオラのデュオという比較的珍しい形態での演奏会ということもあり、楽しみにしながら開演を待ちました。

 第1部は中島さんのピアノ独奏。バッハの《イギリス組曲》第5番ホ短調BWV.810で幕を開けました。芯のある良く通る音色でフーガの主題を明確に弾き分けていきます。厳粛なムードのなかにも、歌心溢れる表現が際立ちました。続いてはショパンの《スケルツォ》第4番ホ長調作品54。テンポが速く、演奏が難しい作品です。細かいパッセージも丁寧に弾き、スケールの大きな演奏を展開。最後はメシアンの《ピアノのための前奏曲》から第3番「軽やかな調和」と第8番「風に映る影」。前の2曲とはうって変わって、霞がかった音色で表現していたのが印象的でした。前半のプログラムは、それぞれの曲が異なる表現を求められますが、様式をしっかり理解し、タッチを使い分けて多彩な音色を紡ぎ出す中島さんの表現力はさすがです。

 第2部はヴィオラの矢谷さんが登場し、ヴィオラとピアノのデュオです。最初の曲、シューマンの《おとぎの絵本》作品113でヴィオラの深みのある音が会場に響き渡ります。まるで絵本のストーリーのように様々な情景が浮かんでくるよう。筆者はヴィオラの独奏を間近で聴いたことはなかったので、ヴァイオリンとはまた一味違う独特な世界に惹き込まれました。続くブラームスの《ヴィオラとピアノのためのソナタ》第1番へ短調作品120-1では、深みのある音色と幅広くダイナミックな表現で晩年のブラームスの世界を鮮やかに表現。最後のエネスコの《演奏会用小品》では、ピアノのアルペジオにヴィオラの重音が重なり、華麗な音の世界で聴衆を魅了しました。

 客席からの熱い拍手に応え、アンコールにフォーレの「夢のあとに」と、アイルランド民謡「ロンドンデリーの歌」を演奏。充実したプログラムの後の美しい調べがとても心地よかったです。

 実はこのお二方、今回が初めての共演なのだそうです。デュオがうまくいくためには、それぞれの奏者が高い技術を有しているだけでなく、音楽的な相性が合うことも必要とされます。その点このお二方の演奏は、初めての共演とは思えないほど完成度の高いものだったのではないでしょうか。是非また、このデュオでの演奏会を聴いてみたいです!

  テレビ取材も入りました。

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