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中井正子ドビュッシー名曲コンサート&トーク開催レポート
2008年12月6日(土) 18:30開演(18:00開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

お客さん一人一人に丁寧にサインをされていらっしゃいました。

 ドビュッシーを中心に、フランス音楽のスペシャリストとして知られる中井正子さん。2003年より続けてこられた、ドビュッシーのピアノ作品全曲演奏・録音・楽譜校訂という、壮大なドビュッシー・プロジェクトの集大成として、12月6日カワイ表参道パウゼにて「中井正子 ドビュッシー名曲コンサート&トーク」が開催されました。

 演奏会は、前半が演奏、そして休憩を挟んで後半がトークという構成。演奏のプログラムは、年代順に組まれ、ドビュッシーの作風の変遷を感じられるような流れとなっていました。お話にあったように、ドビュッシーにとって上流階級の夫人たちが集まる「サロン」は、非常に重要な存在だったわけですが、そのような影響がはっきりと伺える初期の作品の中から、《アラベスク第1番、第2番》、《ベルガマスク組曲》より「月の光」が演奏されました。これらの上品で優雅な響きに、会場は酔いしれました。《喜びの島》でのきらびやかさと愛に溢れた優しさも、格別でした。また、《前奏曲集第1巻》からは、よく知られる5曲が演奏されましたが、これは、結婚をしたドビュッシーがお金を得るために、楽譜が良く売れるような、つまり多くの愛好家に好かれるような作品を、と考えて作曲した作品群とのこと。なるほど、その旋律は甘美で親しみやすいものであり、そのような旋律を中井さんの演奏はそれぞれの性格を描きわけ、印象深く聴かせてくださいました。最後の2曲は、晩年の作品でしたが、戦争や自身の病の中で、それまでとは異なる心境であったであろうドビュッシーの、独特の深みを伝える演奏でした。

 前半で、ドビュッシーのまさに「名曲」と言える有名な作品を堪能した後、その印象が記憶に新しいうちに、それらの作品の背景などのお話を聞けるという、何とも贅沢な一夜となりました。中井さん自身のフランスでの体験も交えつつのドビュッシーの音楽、そして生涯についてのお話は、非常に興味深く、聴衆の中にはメモを取っている姿も見受けられました。ピアノの前での練習ばかりでなく、このような幅広い知識が、音楽の豊かな表現に結びついているのでしょう。来年からは、ショパンのシリーズが新たにスタートする予定だそうです。今から楽しみですね。

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