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宮下朋樹 ピアノリサイタル開催レポート
ベートーヴェン ピアノソナタ全曲演奏会 X
2008年
11月16日(日) 14:00開演(13:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
東京オペラシティリサイタルホール

 2001年より、ベートーヴェンピアノソナタの全曲演奏に取り組んでいる宮下朋樹さんのリサイタルが、東京オペラシティー リサイタルホールにて行われました。このシリーズは、今回で10回目を数え、来年開催予定のリサイタルで完結を迎えるとのこと。ベートーヴェンのピアノソナタの歩みも、いよいよ終盤にさしかかってきました。

 本日の演奏会は、第27番Op. 90からです。フォルテの豊かな響きと、ピアノの鮮やかな対比で、始まりました。1つ1つのパッセージ、そして和音の変化を丁寧に伝えてくれる演奏だったと思います。この躍動的な第1楽章から一変し、第2楽章は、非常に柔らかく温かな世界が展開され、心地良い流れに、身を委ねることができました。

 続く第28番Op. 101から、ピアノソナタにおいては一般に後期の作品とされています。ベートーヴェンの後期作品は、より内面的に深まり、独特の世界観で繰り広げられ、演奏家には特に表現力が要求されます。宮下さんの演奏は、そんなベートーヴェンの世界を見事に解釈し、それを安定したテクニックで表現した素晴らしいものでした。作品全体の核となる第1楽章の冒頭は、静かにそしてなだらかに奏されました。第2楽章は、活き活きとしたリズム感が印象的でした。第3楽章には、とても内面的な序奏が置かれています。そこから、自由なカデンツァ風のパッセージの後、第1楽章の冒頭主題が再現されますが、その運び方が絶妙で、ベートーヴェンの意図した作品全体の連関がよく感じ取れました。後半のフーガは、まさに圧巻でした!

 そして休憩を挟んだ、第29番Op.106「ハンマークラヴィーア」が、本日の白眉だったことは明らかでしょう。ベートーヴェン自身、「ハンマークラヴィーアのための大ソナタ」と記しているこのソナタは、長大でベートーヴェンのピアノ曲の中でも、最も難しい作品の1つに数えられます。第1楽章の開始は、輝かしいファンファーレのよう。内容の濃い演奏が続き、軽やかで移り気な第2楽章へと進みます。第3楽章の長いアダージョは、美しく叙情性に溢れていました。終楽章では、様々な対位法の技法が用いられていますが、声部が絡み合い織り成されていく面白さが存分に伝わってきました。この大作を集中力の高い演奏で弾き通し、聴衆からは盛大な拍手が贈られました。

 アンコールは、やはりベートーヴェンのピアノソナタ第18番Op. 31-3より第3楽章のメヌエット。あたたかい牧歌的な雰囲気で、ベートーヴェンの世界を満喫し演奏会は終了となりました。

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