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“IMAGINATION” Vol.8
続「フランスとロシアの奇跡」
稲田 潤子 ピアノリサイタル開催レポート
2007年10月27日(月)19:00開演(18:30開場)
後援:(株)河合楽器製作所、カワイ音楽教育研究会
会場:東京文化会館小ホール

プログラムは以下のとおりです。

ロパルツ
若い娘達
無頓着な人/なげやりな人/あだな人/やさしい人/気の多い人
ドビュッシー
映像 第1集
水の上の反映/ラモー礼讃/運動
ラフマニノフ
10の前奏曲 作品23
クライスラー=ラフマニノフ
愛の喜び
―アンコール―
ドビュッシー
亜麻色の髪の乙女
花火
ラフマニノフ
作品3−4「道化師」

 稲田潤子さんのリサイタルシリーズ"Imagination"も8回目を迎えました。今回は昨年に引き続き、フランスとロシアの名作を楽しむという内容。当日は一時大雨が降るという不安定な天気でしたが、それにもかかわらず会場には多くのお客さんが駆けつけました。

 稲田さんの演奏は、高度なテクニックに裏付けられた微妙なニュアンスの使い分けが巧みでした。特にフレーズの終わりに音が霞のように消えていくところや、高音をそっと優しく奏するところなどは、その美しさに思わずうっとりしてしまうほどです。たとえば、ロパルツの「やさしい人」では、高音の優しい響きが印象的でした。一方、ドビュッシーの「水の上の反映」での、水の動きを連想させるしっとりとしたアルペジオがもたらす幻想的な雰囲気は実に素晴らしいものでした。

 後半はラフマニノフの『10の前奏曲』作品23。ラフマニノフは自身が優れたピアニストだったこともあり、技術的に難しい作品を数多く残しています。『10の前奏曲』もかなりの難曲揃いですが、稲田さんは素晴らしいテクニックで弾き切りました。どの曲もその性格をよく捉えて見事に表現されていたのですが、第4番の叙情的な美しい旋律が徐々に盛り上がり、壮大に展開していく部分は特に感動的だったと思います。そして最後は有名なクライスラー(ラフマニノフ編曲)の『愛の喜び』。ヴァイオリンの演奏で親しまれている作品ですが、ピアノ版もまた、さすがラフマニノフの編曲だけあって、豪快で聴き応えがあります。稲田さんは幅の広い和音をガッシリと掴み取り、スケールの大きな演奏を展開しました。

 聴衆の暖かい拍手に応え、稲田さんはアンコールを3曲演奏。ピアノの音色の美しさを最大限に引き出し、聴き手を楽しませてくださる稲田さんの演奏を、また聴いてみたいと思いました。

  

終演後ロビーの様子。

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