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日本ショパン協会 第243回例会
楠原祥子ピアノリサイタル開催レポート
《日本ショパン協会パウゼシリーズ Vol.3》
2008年
10月18日(土) 18:30開演( 18:00開場)
主催/日本ショパン協会
協賛/(株)河合楽器製作所関東支社
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 日本ショパン協会の例会として開催された今回のコンサートは、楠原祥子さんを迎えて行われました。楠原さんは、桐朋学園大学を卒業後、国立ワルシャワショパンアカデミーに留学、現在では国内のみならずヨーロッパでも活躍されています。プログラムは、前半にバッハとドビュッシー、そして後半にショパンのマズルカという構成でした。

 まずは、バッハの《パルティータ 第4番 二長調》。バロック的な心地良い均整に乗せて、音楽は運ばれていきます。序曲と6曲の舞曲からなる作品ですが、それぞれの舞曲の性格、そしてその対比が、私たちを楽しませてくれました。

 ドビュッシーの《喜びの島》では、まるで生き生きと情景が目に浮かぶよう。きらきらとした輝き、寄せては返す波、陰影…。ドビュッシーの色彩感豊かな音楽の特徴が、最大限に活かされていたと思います。

 そして何と言っても、楠原さんの得意とするレパートリー、ショパンは素晴らしいものでした。後半は、16曲のショパンのマズルカが一気に演奏されました。これらは3つのグループに分けられ、ショパンのマズルカの作風の変遷がたどれるようになっていました。彼女自身のプログラム・ノートの言葉を使わせていただくと、初めは「青年期の舞踏色の濃いマズルカ」。実際に踊れるような、民族的な響きの作品群の素朴さで、ポーランドの農村の風景へと導かれました。続く6曲は「パリで充実した生活を送る時代のマズルカ」と題され、たとえばOp. 33-3のように、明るく賑やかな、しかしその和声感など確実に音楽性が高まっていることが伝わってきました。最後のグループ「全人類的な芸術作品にまで高めたマズルカ」では、ショパンがマズルカで達した深い世界が、それに全く引けを取らない実に深く美しい表現で繰り広げられました。Op. 59-3は、マズルカのステップの絶妙なリズムにのった叙情的な旋律が次々に展開し、多彩な面を聴かせ、私たちのマズルカの旅は終わりとなりました。

 温かな拍手に応え、アンコールは2曲。お馴染み、ショパンの「雨だれ」と「子犬のワルツ」で、超満員の聴衆を大いに沸かせました。

 

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