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深沢亮子ピアノリサイタル vol.3開催レポート
2008年
10月10日(金) 19:00開演(18:30開場)
主催:カワイ音楽振興会
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

今回は深沢亮子先生のリサイタル。「パウゼ」での演奏は3回目になります。おなじみのピアノ作品から普段あまり聴くことのない日本人作曲家のピアノ作品まで含まれている、ユニークなプログラムでした。

前半はスカルラッティの《ソナタ》二短調L.413“田園”、《ソナタ》ハ短調L.352、モーツァルトの《ソナタ》ハ長調K.545、《デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲》ニ長調K.573というもの。深沢先生の演奏の特筆すべき点は、絶妙な鍵盤のタッチで微妙なニュアンスをコントロールしているところにあると思います。スカルラッティのソナタでは軽やかなトーンや装飾音の美しさが印象的でした。また、モーツァルトの作品では、細かいパッセージを丁寧に演奏され、美しく優しいピアノの音色が会場に響き渡りました。

休憩中にはケーキとドリンクでほっと一息。このようなサービスはサロンコンサートならではの魅力でしょう。
後半は寺内昭さんと寺内園生さん、ドビュッシーの作品。深沢先生は日本の現代作品にも造詣が深く、これまでも積極的に演奏され、国内はもとより海外でも紹介してこられました。寺内昭さんの《良寛さんと子どもたち》は極めて素朴な民謡といった趣で、シンプルな中にも独特な叙情性をたたえた作品集です。続く寺内園生さんのピアノのための組曲《斑鳩》は、神秘的で幻想的な和音が印象的な作品。美しく不可思議なピアノの響きが冴え渡る演奏でした。最後はドビュッシーの《前奏曲集》から「オンディーヌ」「パックの踊り」「ミンストレル」の3曲を演奏。前の寺内さんの作品とも通じる美しい響きで聴衆を魅了しました。

アンコールには、シューベルトのワルツと、会場にいらしていた寺内園生先生とご一緒に寺内先生の『動物の大行進』より 白鳥 を連弾されました。

今回のリサイタルは、おなじみのピアノ作品はもちろんのこと、比較的珍しい日本人作曲家のピアノ作品を聴くという、滅多にない機会でした。ピアノ作品というとどうしてもヨーロッパの作品ばかりが頭に浮かんでしまうのですが、先生のように日本人作品を積極的に演奏される優れたピアニストが、その魅力を伝えていってくれればと思います。

後半のトークでおっしゃっていたのですが、先生は来年も「パウゼ」でのコンサートを開かれるとのこと。次回も楽しみにしています!

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