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谿 博子 ピアノリサイタル開催レポート
2008年
10月7日(火) 19:00開演(18:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 今回のカワイサロンコンサートは、これまで神戸とパリで研鑽を積んでいらした谿博子(たにひろこ)さんのピアノリサイタルです。表参道のコンサートサロン「パウゼ」には谿さんの演奏を聴きに、幅広い年齢層の方たちが集まっていました。

 幕開けとなる第1曲は、J. S. バッハのパルティータ第1番です。6曲から成るパルティータの第1番であること、そして出版時にOp. 1とされたことも考えると、コンサートの最初を飾るのにふさわしい雰囲気をもっていました。前奏曲では変ロ長調の主和音の中で朗々と歌われる旋律がよく引き立てられていて美しいものでした。そこから、アルマンドが比較的速いテンポで演奏され、3拍子のコレントまで、だんだんと凝縮した世界に引き込まれていきます。サラバンド、メヌエットを経て、ジークで終わるこの組曲を、繰り返しをうまく利用して幅広い表現を見せてくれました。繰り返しの1回目と2回目では音色をソフトペダルで変えるとか、際立たせる旋律を変えるなどです。

 第2曲はブラームス晩年の三つのインテルメッツォOp. 117です。3曲とも、ロマンチックで立体感ある響きの中から浮かび上がるメランコリックな旋律がきれいで印象的でした。第3曲はショパンのバルカローレ。波に揺れる様子を想像させる左手の穏やかな伴奏にのって、脱力系のゆるやかで落ち着ける音楽に浸らせてくれました。

 休憩をはさみ、後半は、プログラムの中心であるドビュッシーの前奏曲集 第2巻全曲です。全体に、ドビュッシー独特の高い抽象性と絵画性がうまく結び付けられて演奏されていました。中でも「水の精 Ondine」は透明な波とともに表情のある動きを感じました。今日のうすい水色のドレスは、この曲のイメージなのでしょうか?谿さんご自身、とっても楽しそうに演奏していました。

 最後にご挨拶をなさった後、アンコールにドビュッシーのアラベスクを弾いてくださいました。その透明な響きに、毎日の生活から解放された時間をすごせました。

 

にこやかにお客様ひとりひとりと丁寧にご挨拶をされていました。

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