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KSCO
根岸弥生&猿田泰寛 ピアノデュオコンサート開催レポート
piano duo concert tour '08 〜2台のド迫力!!〜
2008年9月23日(火) 17:00開演(16:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
今回は2台ピアノのコンサート。プログラムには面白そうな曲が並んでおり、筆者も今回のコンサートをとても楽しみにしていました。多分、コンサートを聴きに来られたお客さんも同じような気持ちだったのでしょう。会場に入ってみると、席は既にぎっしりと詰まっており、開演前からこのコンサートを楽しみにしているお客さんの熱気が感じられました。
今回のコンサートのコンセプトは、「2台ピアノで世界一周する」とのこと。たしかに、プログラムには世界各地の名曲が並んでおり、大変バラエティに富んでいます。おなじみの名曲が2台ピアノでどのように響くのか、期待しながら開演を待ちました。
演奏者の希望により客席は完全に照明が落とされ、2台のピアノがくっきりと浮かび上がりました。普通のクラシックコンサートよりは幾分ラフな服装で登場したお2人がまず演奏したのは、ミヨーの《スカラムーシュ》。冒頭から、楽しげな音楽が会場に響き渡りました。音の厚みは聴き応え満点で、1台では実現不可能なものです。また曲の合間には2人の楽しいトークが挟まれ、観客を飽きさせません。
2曲目のピアソラの《グラン・タンゴ》も聴き応えある演奏でした。軽快なリズムと情熱的な旋律が合わさった魅力的な音楽を弾きこなせるのは、クラシック以外のジャンルにも対応できるお2人ならではのものでしょう。
前半最後のチャイコフスキーの《くるみ割り人形》は通常オーケストラで演奏されるおなじみの名曲です。今回の2台ピアノの演奏では、原曲のオーケストラとはまた一味違った2人の奏者の掛け合いがいたるところに見られ、興味深かったです。
後半最初の曲《ウェストサイド・ストーリー》はとりわけ印象的でした。曲の中に出てくる「マンボ!」という掛け声を、客席が発するというイベント(?)があったのです。演奏前に3回ほど練習し、本番の演奏では息ピッタリ、会場に「マンボ!」という声が響き渡りました。観客を演奏に巻き込んだ演奏は見事大成功!
今回演奏された作品も含めて、2台ピアノの作品には素晴らしいレパートリーがいくつもあるのですが、ピアノ独奏に比べてまだまだ聴く機会が少ないのが現状です。その意味でも、今回のコンサートは貴重な体験でした。楽しい演奏を聴かせてくださった根岸さんと猿田さん、またパワフルな2台ピアノを聴ける日を楽しみにしています!
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