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KSCO 
松尾久美 ピアノリサイタル開催レポート
《桐朋学園 表参道 サロンコンサートシリーズVol.2》
2008年8月27日(水) 19:00開演(18:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

松尾久美さんは、桐朋学園大学を卒業後、現在英国王立音楽大学大学院で研鑽を積んでおられます。2006年には日本音楽コンクールで上位入賞を果たされており、今後の活躍が期待される若手ピアニストです。

今回のプログラムは、以下のとおりです。
前半
モーツァルト:ピアノ ソナタ 第13番変ロ長調 KV.333
スクリャービン:ピアノ ソナタ 第5番 作品53
後半
ラフマニノフ:練習曲集「音の絵」作品33
ラフマニノフ:コレルリの主題による変奏曲 作品42
〜アンコール〜
メンデルスゾーン:無言歌集より 作品19-4「信頼」

このように、モーツァルト、スクリャービン、ラフマニノフらの大曲4曲というプログラムで、高度なテクニックだけではなく、精神力、体力も求められる作品ばかりです。このような充実した作品群を松尾さんがどのように弾きこなすのか、期待に胸を膨らませ、会場に足を運びました。

松尾さんの演奏の魅力は、その圧倒的な集中力にあるといえるでしょう。ステージに出てきてお辞儀をするまでは、気さくな笑顔で会場を和ませているのですが、ピアノの前に座ると、真剣そのもの。作曲家の世界に入り込み、表現しようとする様子が伺えます。最初のモーツァルトのソナタは、軽いタッチで弾かれることが多い曲ですが、松尾さんは、1音1音を丁寧に弾き、情感豊かに歌い上げられたのが印象的でした。

続くスクリャービンのピアノソナタ第5番では、神秘的な響きと強烈な打鍵の対比を鮮やかに表現。松尾さんの高度な技巧が冴え渡りました。特に、スクリャービンならではの神秘的な世界は、松尾さんの得意とするところだったと思います。 

後半の2曲はどちらもラフマニノフの作品。「音の絵」は、自身が名ピアニストだった人の作品だけに、演奏も難しいのですが、優れたテクニックを有する松尾さんは、技術上の困難を全く感じさせず、豪快に表現されました。

プログラム最後のコレルリの主題による変奏曲は、厳粛なムードを漂わせながらも、それぞれの変奏の性格を巧みに弾き分けられました。また、圧倒的な集中力をもって表現される世界は実に見事で、聴き手もその世界に集中して聴き入っていました。

大曲ばかりの充実したプログラムをこなした松尾さんに、客席からは熱い拍手が送られました。

松尾さんは、高い技術もさることながら、独特な表現力で聴き手をひき込む力をもったピアニストだと思います。次回はどんな世界を見せてくれるのか、楽しみです!

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