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KSCO
長崎結美 ピアノリサイタル開催レポート
2008年8月2日(土) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
本日のピアニスト 長崎結美さんは、国立音楽大学・大学院を修了後、パリに留学して研鑽を積まれた方です。非常に暑い1日でしたが、大勢の聴衆が集まりました。プログラムの前半は、ラヴェルとプーランク。第1曲目の《水の戯れ》では、外の暑さを忘れさせてくれるような清涼感のある音で、繊細に音楽を運び、彼女の世界へと引き込んでいきました。続いて、《亡き王女のためのパヴァーヌ》。オーケストラ版で演奏されることも多い作品ですが、ピアノならではの魅力を存分に発揮し、非常に優雅な雰囲気を醸し出していました。《ソナチネ》ではとりわけ、きりっとしたメロディーと細やかな内声といった立体的な表現が見事でした。プーランクの《3つの小品》は、3曲それぞれの異なった性格を良く表した演奏で、特に「トッカータ」は、それまでとは一変した決然とした演奏で、表現力の広さが感じられました。
休憩の後は、ショパンの作品を3曲。《ノクターン》Op.9-1は、一段と柔らかさを増した音色で、美しい旋律を歌い上げていました。《スケルツォ第2番》は、ショパンの激しい一面を見せつつも、温かさも合わせ持った、彼女らしい演奏だったように思います。有名な冒頭の主題の休符も、絶妙でした。やはり圧巻だったのは、最後の《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ》でしょう。アンダンテの序奏部分での夢見心地な美しさ、パッセージのきらびやかさ、そして対照的にスケールの大きなポロネーズと、ショパンの作品の中でも有数の大曲・難曲を見事に演奏してくださいました。アンコールは、ショパンの遺作の《ワルツ》ホ短調。感傷的な美しさでコンサートを締めくくりました。
今年1月でのリサイタルでの好評につき再びパウゼに登場した長崎さんですが、親密で上品な表現がこのサロンにぴったりでした。美しい音とエレガントな表現、そして曲間に見せる素敵な笑顔に、またファンが増えたことでしょう。
沢山のご友人や親族関係者の方々など、応援にいらっしゃいました。
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