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KSCO
華麗なる PIANO QUARTET Vol.3開催レポート
2007年7月18日(金) 19:00開演
会場:カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ 」
本日のコンサートは、実力派のピアノ・クァルテットが登場しました。その人気ぶりは、会場を埋め尽くしたたくさんの観客たちを見れば明らかです。皆さん方、演奏が始まる前から落ち着いていられないのは、純粋に、音楽への期待を膨らませていたからなのでしょう。
<華麗なる Piano Quartet>がその名の通りであるのは、演奏だけでなく、演奏前の立ち振る舞いからも感じられました。4人がステージに登場するやいなや、会場の空気は一瞬にして華やかなものに色めいたのです。それに酔いしれる聴衆は、演奏前から彼らの虜になったも同然です。目が離せないのです。
ルクー G. Lekeuという19世紀末のフランスの作曲家のピアノ四重奏曲を初めて聴いたのですが、意外と感情移入ができ、主観的に聴くことができました。それというのも、有無を言わさずまさに圧倒的な4人のシンクロニゼーション(同調)が、聴き手である私の心とも素直に一体化したように思えたからです。それに加え、潔癖なまでに純化された、・・・音・・・。何度となく訪れる盛り上がりやゲネラル・パウゼ(全休止)の緊張感。そうした全ての要素に、私たちも席から立ち上がりそうなくらいに興奮する演奏でした。
今回はチェロの小川さんのソロ演奏がありました。MCで高木さんがお話されたように、黛敏郎のチェロ曲というと意外な気もしました。しかし、『三味線の音をwestern instrumentalで』という指示を見事に表現しきられたのは、本当に驚きと感動でいっぱいになりました。撥を棹に当てたり、すり指をするといった三味線に特有の奏法を真似ているところと、チェロ本来の音色が歌われるところで、絶妙な調和が実現されていました。
最後にはショーソンのピアノ四重奏曲です。その甘美な旋律線は、かもめのような海鳥が、青い空を長い弧を描くように飛んでいる、というイメージでした。ペンタトニック(五音音階)風の音の使い方は時に鋭さを増しますが、それすら包み込む全体の包容力がありました。3つの弦楽器をより際立たせ、それによってさらに一体感を増したのが、ピアニストのきめ細かな心遣いあふれる演奏であったことは、言うまでもありません。
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