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ステーンハンマル友の会
スウェーデン音楽の調べVol.5開催レポート
東方への憧れ
2008年7月13日(日) 14:00開演(13:30開場)
会場:東京オペラシティ リサイタルホール

 

本日は、日本では演奏されることの少ないスウェーデンの音楽を積極的に紹介している、ステーンハンマル友の会によるシリーズの5回目です。スウェーデンの音楽とはどのようなものなのだろう?と期待に胸を躍らせホワイエに入る私たちを最初に迎えてくれたのが、森由美子さんがアレンジした綺麗なフラワーアレンジメント、そしてスウェーデンの植物学者リンネに関する本やスウェーデンの小物などの展示でした。何とも素敵な演出です。

 今回のコンサートの非常に興味深いところは、そのテーマ「オリエント」です。20世紀初頭のフランスでオリエンタリズム、ジャポニズムが花開いたことは、よく知られていますが、スウェーデンの作曲家にもこれほど多くのインスピレーションを与えていたとは私にとっては驚きでした。歌曲にピアノ曲、室内楽と、様々なジャンルが取り上げられ、それぞれの「オリエント」が楽しめました。

 まずは、江尻南美さんのペッテション=ベリエルの《ノルランド風ラプソディ》から。民謡風の美しい、ややメランコリックな旋律や、ダンスのリズムなどで、スウェーデンの世界へと誘われました。前半の「オリエント」は、中国です。向野由美子さんの透き通った伸びのある声にのせて、漢詩をモチーフとした歌曲が紹介されました。シェーグレン、フォン・コック、ド・フルメリの歌曲は、すべて李白の漢詩をもとにしたベートゲのドイツ語詩。ベートゲの詩をどう作曲するのか、「スウェーデンの作曲家」として一括りにできない、それぞれの個性を感じることができ、興味深いものでした。

  

 後半に、中東へ。アッテルベリの《組曲 第1番「オリエンタル」》は、素晴らしいアンサンブルも手伝って、情景が目に浮かぶような作品でした。また、日本人として気になるのはカルコフの《10の日本のロマンス》でしょう。この歌詞は、和歌を自由にスウェーデン語訳されたもので、和歌の情感や簡潔さが中核にあるように思われました。

 

ステージの壁には、もととなった和歌が映し出され、内容が分かりやすくなっていたのも良かったと思います。最後は出演者全員でのペッテション・ベリエルの《オリエンタル・ダンス》、異国情緒溢れる華やかな1曲でした。古くからのオリエントのイメージであるトライアングルやタンバリンも入り(途中、主宰の和田さんのピアノから打楽器への素早い持ち換えも!)満員の聴衆を盛り上げ、締めくくられました。

 

ロビーの様子。いろいろな展示品にお客様は興味深く見入っていらっしゃいました。

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