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KSCO
川崎翔子ピアノリサイタル開催レポート
《2007年 日本音楽コンクール入賞者シリーズ Vol.1 》
2008年6月27日(金) 19:00開演(18:30開場)
《2007年 日本音楽コンクール 入賞者シリーズ》、本日は他にも数々のコンクール入賞歴を誇る、現在東京芸術大学の博士課程に在籍中の川崎翔子さんのリサイタルです。今注目の若手ピアニストの演奏を聴こうと、会場は超満員のお客様で埋め尽くされました。本日のプログラムは、全てフランスの作品。バロックから近代まで順に並べられ、レパートリーの広さが感じられました。
まず演奏されたのが、フランス・バロックの2人の巨匠、クープランとラモーの小品3曲です。これらは、もともとクラヴサン(チェンバロ)のために書かれた作品ですが、そのクラヴサンを思わせる明瞭なタッチ、しかしピアノの特性も活かした表現は、非常に説得力あるものでした。続いて、時代は19世紀へととびショパン。《バラード第1番》では、絶妙にコントロールされたペダルによって、フレーズがはっきりと、そして大きな流れで歌われていました。また《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ》でとりわけ印象的だったのは、華麗な装飾音です。1音1音の輝きが、私たちを魅了しました。
後半のプログラムは、ドビュッシー。《喜びの島》と、《前奏曲 第2集》より8曲が演奏されました。ここでは彼女の透明感のある音と、軽やかでさわやかな表現力が見事に活かされていたと言えるでしょう。そのことは、はじめの《喜びの島》ですでに感じられました。うまくコントロールされたウナ・コルダ(弱音ペダル)の使用での弱音の美しさ、時折現れるきらびやかなパッセージ、そして色彩感豊かな和声と、作品のもつ魅力が存分に表現されていました。そして、それを支える安定感のある完璧なテクニックには、脱帽です。
観客の温かい拍手に、アンコールとしてドビュッシーの《練習曲集》より第7番が演奏されました。それでも鳴り止まない拍手に応え、もう1曲ショパンの《練習曲集》より第3番「別れの曲」も演奏され、この曲をもって川崎さんの演奏とはお別れとなりました。ご本人も案内されていましたが、来週にもコンサートを控えている川崎さん。今後のますますの活躍が楽しみです。
ロビーでは、ご友人方々でいっぱいに!
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