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金子三勇士ピアノリサイタル開催レポート
東京音楽大学 表参道 サロンコンサート Vol.2
2008年6月4日(水) 19:00開演(18:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

梅雨入りした東京でもつかの間の晴れ間は、今日の金子さんのコンサートのためのようなものです。チケットは完売し、席はすべて埋まっています!この演奏家のただならぬ雰囲気が始まる前の会場からも伝わってきます。金子三勇士さんは、プロフィールにある通り、いくつかの世界的なコンクールに優勝するという実力をお持ちですから、いったいどんな素敵な演奏が始まるのか、とても楽しみです。

前半はピアノの音の響きの金子さん独特の世界をきかせてくれました。私は正直、ピアノがあのような繊細で微妙な色合いを表現することができるということに驚きを隠せませんでした。特にペダルの繊細な使用法によっていることが大きいのではないでしょうか。第1曲のフォーレでは細やかな音色づくりから立ち上がる、でも霧のようにすぐに次から次へと姿を変えていく繊細でイメージに富む音世界に聞きほれていました。しかし技術的にもかなりのレベルが感じられました。第3曲のシューマンのピアノ・ソナタは激しい情熱的な部分と落ち着いた心やさしい部分がかなり対照的に交替する曲ですが、第1楽章と第2楽章においてかなりの技術的感性を感じました。楽譜の上には確かにどの音をどんなリズムで、どのようなフレーズで、部分的にはどのくらいの音量で、どんな曲想で弾くべきかが書かれているわけですが、それらがすべて適切に、説得力をもって、ピアニストがオーケストラの指揮者になって全ての音を操って、ひとつの演奏という作品をつくりだしているのです。それは映像となって、ピアノの開けられたふたのあたりにめまぐるしく展開され、そこから席まで流れ込んでくるようにして伝わってきたのです。ブラヴォー!

後半はハンガリーを主題としたプログラミング。ハンガリーで音楽の勉強をされていたので、音楽の表現はその土地に行ったことのない私にも充分な説得力をもって語りかけてきました。金子さんの演奏語法で特徴的なことに、音量の大きなところで荒々しいと言っていいほど素朴で張り詰めた音質を使う点があります。個人的な考えですが、東ヨーロッパ地域の民謡は強く張った声で歌われる傾向があるので、地域的な奏法上の特色がピアノ演奏に生かされていると言えるのかもしれません。興味深いです。

 終演後のロビーの様子

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