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KSCO
北川曉子＆靖子 サロンコンサート vol.3 開催レポート
〜モーツァルトの世界〜
2008年5月20日(火) 19：00開演（18：30開場）
会場：カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ
午前中の大雨が嘘のような穏やかな夕べに、北川暁子先生・靖子先生のコンサートは行われました。「モーツァルト」の世界と題されたこのコンサートの前半は、全てモーツァルト作品。まずは、《ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 変ロ長調》Kv. 454の、さすが姉妹！と思わせる完全に息の合ったアンサンブルで、幕を開けました。続いて暁子先生のソロによる《ピアノ・ソナタ ヘ長調》Kv. 533・494。立ち上がりの良い美しいタッチと彼女らしい絶妙なペダル使いで、非常に立体的で自由自在な音楽作りが印象的でした。そして再び靖子先生と共に、《ロンド ト長調》。繰り返し登場するロンド主題の軽やかさ、モーツァルトらしいちょっとおどけたような楽しさと、その間に挿入される叙情的な部分とが鮮やかに対比された、見事な演奏でした。休憩を挟んで、後半はベートーヴェンの作品へ。この2人の作曲家の世界を、モーツァルトの《フィガロの結婚》の主題によるベートーヴェンの変奏曲WoO40が橋渡しをする、というなんと工夫のされたプログラミングでしょう。ヴァイオリンがピチカートで奏するモーツァルトの主題が、ベートーヴェンが得意とした様々な装飾で織り成されていきます。各変奏の性格を描き分け、かつ主題も聴き取りやすく、この変奏曲の魅力が十分に発揮されていました。そして、最後は《ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第3番》Op.12-3。ベートーヴェンの音楽の持つ勢いと2人の音の勢いが一致し、また素晴らしい構成力で音楽が進められました。とりわけ第3楽章は、ぐいぐいと聴衆を引き込む華やかさと力強さで、このコンサートを締め括りました。
そしてコンサートの余韻の残るロビーで、ケーキとコーヒーが振舞われました。素敵な演奏とおいしいケーキという二重の満足を与えてくれた、サロンコンサートでした。
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