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中井正子 パリの香り開催レポート
ドビュッシーピアノ作品全曲レクチャーコンサートシリーズ
第10回(最終回) 《 「小品集 2」〜レントより遅く、小さな黒人、ハイドン賛 他 》 
2008年4月26日(土)18:00開演( 17:30開場)
会場:
カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」

 

2003年から始まったピアニスト中井正子さんによる “パリの香り ドビュッシーピアノ作品全曲レクチャーコンサート シリーズ” もついに今回で第10回目・最終回となりました。

中井正子さんは、ご自身が10代でフランスに渡り、本場の伝統・演奏スタイルをしっかりと継承されて帰国された当時、日本ではドビュッシーのピアノ音楽が明らかな誤りのまま演奏されていたことに違和感を感じられたそうです。当時もさることながら現在でもまだドビュッシーについては誤った楽譜で弾かれていることが多く、フランス伝統の本来のドビュッシーの音楽を皆さんに正しく伝えていくために始まったシリーズでした。

今回のテーマは、「小品集 2」 (ショパン社より中井正子さんの校訂楽譜が出版されています。)
前半は、「小品集 2」の全曲演奏。
曲目は、次の通りです。
1. スケッチ帳より
2. コンクールの小品
3. 小さな黒人
4. ハイドン讃
5. レントより遅く
6. 英雄的な子守歌
7. 慈善団体「負傷兵の衣」のための小品
8. エレジー
また、特別に 「小品集 2」には収録されていませんが、曲が発見されて間もないという 『燃える炭火に照らされた夕べ』を9曲目に演奏されました。

戦争という暗い時代背景と晩年のドビュッシー自身の病を想わせる陰鬱な曲が多く、聴いていても痛々しさが感じられますが、その中でも透明感のあるクリアな高音や、アンニュイな印象の響き、いつまでも漂っているような香りを感じされる音色、様々な音の響きが織り交ざって、独特の世界を創り出し、それはまるでドビュッシーの魂が中井さんに入り込んだかのような、真に迫る素晴らしい演奏でした。 ドビュッシーの素晴らしさを再認識し、なによりピアニスト中井正子さんに感服しました。

後半のレクチャーは、楽譜に沿って1曲ごとの詳しい解説がなされ、会場の皆様も納得の表情で熱心に楽譜に書き込みをされていました。

約5年にわたり全10回という大きなシリーズが終了し、振り返ると少々寂しさも感じますが、中井正子さんの次のシリーズは、今年の12月に第1回目が決定しています! 皆様のご来場をお待ちいたしております。

中井正子 パリの香りII
〜 近代フランス・ピアノ音楽とショパン 〜
第1回 2008年12月6日(土) カワイ表参道 コンサートサロン パウゼ
※トーク・コンサートを予定しています。お楽しみに!

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