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KSCO
由井暁子ピアノリサイタル開催レポート
〜ファンタジー、そしてモダンへ〜
2008年1月15日(火) 19:00開演(18:30開場)
会場:カワイ表参道 コンサートサロン「パウゼ」
昭和音楽大学ピアノ演奏家コースを卒業され、その後イタリアのサンタ・チェチリア音楽院で研鑽を積まれた由井暁子さん。現在は、出身の盛岡に在住で、国内外で活躍されているピアニストです。春を思わせるような、淡いグリーンにキラキラと光るドレスが印象的でした。柔和な音色で奏でられたベートーヴェンのアンダンテ ファヴォリから始まり、続くベートーヴェンのピアノソナタ「テレーゼ」では、さらに温かみや優しさを感じるような穏やかな演奏。ショパンの幻想曲では、不吉な序奏とうって変わる後半の華麗なピア二ズムの対比が見事でした。
後半のプログラムは、前半とは雰囲気がガラリと変わって非常に情熱的な印象。プーランクの3つの小品では、独特の和声感や色彩感を由井さんが楽しんでいるのが伝わってくるような演奏。バルトークの組曲は、絶妙なテンポとリズム感で刺激的な印象、フィナーレのヒナステラのピアノソナタで、由井さんの内に秘めた情熱が一気に爆発し、エネルギッシュでパワフルな演奏を披露され、会場のお客様は興奮のうずに引き込まれました。アンコールでは、ドビュッシーの「月の光」を演奏されました。前半プログラムの穏やかな印象、後半の情熱的でも決して熱にうかされない、どこかに冷静さのある演奏。様々な印象を併せ持つ魅力的なピアニストだと思いました。
今後のますますのご活躍がとても楽しみです。
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