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Kawai Salon Concert in Aoyama No. 147
「水上裕子 ピアノリサイタル」 開催レポート
“Hiroko”〜東欧ラプソディー〜シューベルト から 恋のマイアヒまで 〜 CD発売記念演奏会
2006年5月13日(土) 夜 於:カワイミュージックショップ青山パウゼ
「月刊ショパン」 2006年7月号 誌評
水上裕子、ピアノドラマの一夜
3枚目のCD発売を記念して水上が久々に東京でのリサイタルをおこなう。水上を知らぬ人のために記すが、彼女は普通のピアニストとは演奏スタイルがまったく異なる。1曲ごとに今回なぜこの曲を弾くのかという話をする。それは彼女が住み、活躍していた第2の故郷でもあるルーマニアを中心とした事柄が多いのだが、内容は彼女の実の体験談でもあるので、真に迫った迫力があり、聴衆はこの話術にすっかりと引きこまれながら演奏を聴くこととなる。話術とピアノ演奏が一体となったドラマと思えばよい。シューベルトの即興曲作品90の3、上声部のわきでるような旋律の中に叙情的な歌が美しく漂う。《バルトーク民俗舞曲》、短い6曲の性格がそれぞれうまく表出される。独特のリズム、土臭い素朴な音の中に民族の音楽が心地よく伝わり、ルーマニアを愛する彼女の気持ちと独自の流れが一致する。水上作曲の《ルーマニアの思い出》も聴いていると、何か胸に迫るものがあった。次にショパン2曲が弾かれたが、力強い《革命》よりも夜想曲遺作のほうが印象深かった。美しい旋律の中の情緒あるショパンの歌の流れの中に彼女の心の優しさといったものが垣間見えた。
後半では水上作品が4曲も弾かれ興味深かったし、盛りあがる話術と共に効果充分。ドヴォルザークの《ユーモレスク》なども押さえた細やかな奏法の中の哀愁の雰囲気の表出が見事。ダン・バランの《恋のマイアヒ》など、すっかり彼女の手中のものだった。ミュージカル《レ・ミゼラブル》よりの《民衆の歌》では彼女が弾き歌いをした。バラード風の歌唱には、それらしい雰囲気があり、歌心も充分に感じられた。今後は歌唱をもっと取り入れてみるのもよいのでは。歌は声よりも心だ。聴衆の集中を一身に浴びたこの日の独演、独奏は、見事な成功で幕を閉じる。面白く楽しいピアノドラマの一夜であった。(家永 勝)
参加者アンケートより
○ 感涙の連続でした。本当に来て良かった!! HIROKOさんの活躍を祈ります。(60代女性)
○ 初めて聴きましたが、大変に良かったです。(20代女性)
○ “再会”とても感動しました。(30代男性)
○ ムチャクチャ感動しました!演奏中ヒロコさんに金色のオーラが見えたそうです。(40代女性)
○ ありがとうございました。頑張って下さいね。楽しみにしています。(60代女性)
○ ぜひ一度もう一度お願いします。(60代男性)
○ 語りを交えた着想は面白い。御大成を祈ります。(70代男性)
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